送り出し国最新情報(フィリピン)
フィリピンの国紹介
フィリピン共和国(フィリピンきょうわこく、タガログ語: Republika ng Pilipinas、英: Republic of the Philippines)、通称フィリピンは、東南アジアに位置する立憲共和制国家。首都はマニラ市で、最大の都市はケソン市である。
7000以上の島を領有する島国であり、フィリピン海を挟んで日本とパラオ、ルソン海峡を挟んで台湾、スールー海を挟んでマレーシア、セレベス海を挟んでインドネシア、南シナ海を挟んで中国およびベトナムと対する。
フィリピンの東にはフィリピン海、西には南シナ海、南にはセレベス海が広がる。
国名のフィリピンは16世紀の旧宗主国のスペイン皇太子フェリペ(後のフェリペ2世国王)の名前から命名された。
フィリピンの経済状況
CIAによると、フィリピンの2017年の購買力平価GDPは8756億ドルである。1人当たりでは8300ドルであり、世界平均の半分ほどである。フィリピンの経済は、輸出への依存度の低さ、比較的堅調な消費、1000万人を数える出稼ぎ労働者による海外からフィリピンへの仕送り、急成長するサービス業により、世界経済の混乱の中で比較的安定を保ってきた。2017年には、大胆なインフラストラクチャー支出の発表の影響もあり、2008年の世界金融危機以降初めて経常赤字に陥った。ただ、海外からの仕送りや金融システムは安定している。ただし、国民の貧富の差は大きく、都市部ではパグパグなどの問題も発生している。
民族・言語・宗教
民族
人口が1億人を超えたフィリピンはマレー系を始めとする多民族国家である。タガログ族・ビサヤ族(セブアノ族・ヒリガイノン族・ワライ族)・イロカノ族・ビコラノ族・カパンパンガ族・パンガシナン族・モロ族(マギンダナオ族・バジャウ族・ヤカン人・タウスグ人・サマル人・en:Bangsamoro[要曖昧さ回避])・イヴァタン人(台湾原住民)・華人・サンボアンゲーニョ・メスティーソ・ネグリト(アエタ族・アティ族・バタク族・ママンワ族)・イゴロット族(ボントック族・イフガオ族など)・ティルライ族など。
言語
国語はフィリピン語 (Filipino)、公用語はフィリピン語と英語であるが、母語として使われる言語は、合計172に及ぶ。これらのほとんどはアウストロネシア語族に分類されるが、アウストロネシア語族の言語間にも、ほとんど意志の疎通が図れないほどの違いがある。他に使われる言語には、スペイン植民地の歴史を反映してスペイン語(フィリピンのスペイン語)やチャバカノ語(スペイン語とそのクレオール言語)がある。なおスペイン語は、1986年まで公用語の位置にあった。フィリピン政府は各地で英語とフィリピン語が使われている事実を持ってして公用語であると宣言しており、スペイン語やアラブ語(イスラム教徒)が自発的な運動により公用語になりうる事も示唆している。
フィリピン語 (Filipino) は、1987年に成立したフィリピン共和国憲法において、初めて国語を言い表すのに正式に採用された人工言語である。実質的にはマニラ首都圏を中心として話されている地方語の1つである『タガログ語 (Tagalog) 』を基にして採用された言語である。そもそもフィリピン国内では、ルソン島やミンダナオ島、セブ島を含む7100以上の島々からなる地域において、タガログ語をはじめ、セブアノ語(セブ語、ビサヤ語)、ボホラノ語、ワライ語、ビコール語、ヒリガイノン語、イロカノ語、パンパンガ語の8大言語を含む100近い言語集団があると言われている。
アメリカ合衆国の植民地であったこともあり、アメリカ英語がかなり普及しているが、ナショナリズムの高まりと共に政府はフィリピンが一体となって発展していくためには国内全域で通用するフィリピンの共通言語が必要であるとし、タガログ語を基本としたフィリピン語を作り普及に務めてきた。1934年のタイディングス・マクダフィ法を受けて、同年に開かれた憲法制定委員会で、公用語や国語の問題が話し合われ大論争となった。最終的には、固有の1言語を基礎として国語の確立をすることで収まった。これを受けて、1937年、ケソン大統領がタガログ語を国語の基礎として選択するという宣言を行った。
また、タガログ語と英語が合わさった「タグリッシュ」がある。
フィリピンの宗教
フィリピンは、バンサモロ自治地域を除けば、東南アジアでは東ティモールと並ぶキリスト教国である。キリスト教は、スペイン植民地時代に広まった。スペインが16世紀に伝えたものは、ローマ・カトリックであった。そのため、今でも人々のほとんどが、ローマ・カトリックの信者である。
キリスト教徒は、フィリピンの全人口の90%以上を占める。2000年の国勢調査では、カトリックが82.9%(カトリック教会が80.9%、アグリパヤンが2%)、福音派が2.8%、イグレシア・ニ・クリストが2.3%、その他のキリスト教が4.5%を占める。
2000年の国勢調査でのキリスト教の他の宗教は、スペイン人到来以前にもたらされたイスラム教が南部ミンダナオ島を中心に5%、その他が1.8%、不明が0.6%、無宗教が0.1%である。イスラム教やキリスト教が入ってくる以前は、各島の自然の精霊などを信じる原始宗教(フィリピン神話)があった。(フィリピンの神話上の生き物も参照されたい)
フィリピン共和国憲法に政教分離の規定は存在するものの、カトリック教会の影響は強く、フィリピン司教協会は離婚法や人工妊娠中絶や避妊に対して反対し、政治家に対して政治介入しており、フィリピンで人口爆発と貧困が続く一因となっている。また、結婚があっても離婚自体が法律上無い国家として有名であり、法的離婚制度が無いのは、バチカン市国とフィリピンのみである。
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